理事長メッセージ

信濃育英会の運営にあたって 公益財団法人信濃育英会 理事長 上條 弘人
 公益財団法人信濃育英会は、東京で勉学に励む長野県出身の大学生を支援することを目的に戦後間もない昭和22年に設立されました。この間、厳しい経営を余儀なくされた時期もありましたが、多くの先輩方のご尽力・ご支援のもとに、どこからも財政的支援を受けることもなく、健全で安定した事業運営を行っています。
 当法人が運営する「信濃学寮」には、長野県全域から100名を超える学生が在寮し、東京及び近郊の大学に通学しています。設立以来、80年近くの歴史を有し、卒寮した学生は優に3千人を超えています。多くの人材が地元長野を支え、さらには日本のみならず世界の様々な分野で活躍しています。
 杉並区高円寺の閑静で交通の至便な住宅街の一角にあるにも関わらず、東京23区内では考えられないほどの低廉な寮費で、食事の心配をすることもなく、恵まれた環境の中で学生生活を送ることができます。
 しかし、当寮は、長野県出身の大学生に安い料金で生活する場所を提供することだけを目的として運営している訳ではありません。寮生活の基本は、共同生活を通じて、社会性を身につけ、様々な価値観や個性を持った学生同士のふれあいや交流を通して人間力を高めることであると考えています。こうした観点から、当寮では毎年、様々な行事を寮生と共に実施し、また、寮生の自治会活動も支援しています。
 卒寮生からは、「同じ釜の飯を食べ、同じ風呂に入り、青春時代を過ごした仲間とは、何十年経った今も親しい付き合いが続いている。」「寮生活を送った仲間との交流は、忘れがたく社会に出てからも貴重な財産になっている。」などの声が聞こえて来ます。
 今後とも、学生寮のあるべき姿を問い続け、寮生及び保護者の皆さんの期待に応えられるような学生寮を目指して、信濃育英会を運営して参ります。

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